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2014.06.26 Thursday

Mammylock ML-325L 美馬精機 マミーロック325Lの異音と糸調子機の調整



ときどき何かが削れるような異音がしていたけど
騙しだまし使っていたとのことで、
糸調子が合わなくなり、ついに糸が絡まなくなったので
修理に出す決心をしたそうです。



ということで美馬精機のマミーロック325Lをお預かりしましたが…
空縫いで動かしてみても異音が再現しないため、
目視で原因を探すことにしました。




ベッド下のカバーを開けて詳細に調べてみると…
カバーの一部に削れた跡がありました。


どうやら異音の原因はここのようです。
下軸のカウンターウエイトがカバーに接触していたようです。
元々、クリアランスが少し厳しかったようで
分解清掃して再度組み付けるときに歪みを調整することにしました。


一方、糸調子の不調の原因は下ルーパーの糸調節ダイヤルに問題がありそうです。
ボディーから出っ張っているのでぶつけたのでしょうか。

ツマミが押されたようで、ネジ山をすべって斜めについているために
糸調子皿を圧迫して調節が効かなくなっています。


糸調子ダイヤルを分解したところです。

原因が判ったので分解清掃と注油に取り掛かりましょう。


クリーニング待ちのパーツ達です。


ネジが沢山です。無造作に置いているようですが、
これでもパーツごとに使用されているネジを
きっちり分けて並べているんですよ〜 ホントです!


変色はしていますが、ゴムの弾力はあるようです。
Vベルトはもう少し使えそうです。
次回のメンテナンスまで働いてもらいましょう。


クリーニング後の注油状態です。まんべんなく油膜ができるように
オイルを回してから余分な油を拭き取ります。


正面カーバーもツマミもクリーニングして
随分キレイになりました。


ゴシゴシ磨いて底板もピカピカです。


キチンと組み上げて縫い確認もバッチリ!
今回も無事完了となりました。



 

 

北九州でロックミシンの修理なら
2014.06.24 Tuesday

baby lock ジューキ ベビーロック 絵物語 BNP12 embellisherの納品

先日、ベビーロックのニードルパンチ“絵物語”を納品しました。


ニードルパンチは通常の糸を使って

素材同士を縫い止めていく縫製機とはまったく違い

上下に重ねた個別の繊維同士を複数の針で差し絡めて

固定し融合させつつオブジェクトを造形していくミシンです。

ニードルパンチをミシンと呼ぶかどうかは微妙な問題なのですが…

絵物語は7本と12本の二種類のラインナップがあります。

大きな面積は12本で大胆に作業し、

細部を緻密に構成していく場合は7本に減針して行うのがセオリーです。

12本針は7本に減らして使用することができますが、

7本針を購入した場合は12本に針を増やすことができませんので

作業効率や後々のことを考えると12本針の方が良いかも知れませんネ。



意外とこじんまりとしたミシンですが…
 

素材の組み合わせと配色、ボリュームを生かした立体感など

テクスチャーをエッセンスとし、

イマジネーションを感性のままに表現するツールとして

充分すぎる可能性を秘めていることは確かでしょう。


 


 

北九州でニードルパンチを購入するなら
2014.06.22 Sunday

JUKI the misin HZL-7800 JUKI HZL-7800の異音とオーバーホール



“the mission”というペットネームが

大文字になったり小文字になったりと非常に忙しい

JUKI社のこのシリーズですが、
現在も水平釜のモデルとして引き継がれている
ロングセラーシリーズです。




やはりカメとウサギは仲が悪いのか、

イラストもそっぽを向いていますね〜
これではいつまでたってもカメに追いつけないかも。

ブラザー社だとウサギがカメを追っかけているのですが…


異音がするとのことで修理依頼を受けましたが

確かに少しうるさいようです。

一通りの動作確認ができたため、分解して

可動部分へ一箇所づつ注油してみることにしました。




いくらこまめにお掃除しても、
内部はそれなりに汚れてしまうものなのです。


外装パネルに電子部分が一切取付けていないので

非常にクリーニングしやすいモデルなのです。


各パーツのクリーニングが終了したので
組み付けに入ります。


キレイにすると気持ちの良いものですネ。

 

あぁ、懐かしい垂直全回転の釜です。

金属的なノイズが少しうるさいのが難点ですが…


全体的に注油が終わると自然と音が静かになりました。



 

 

北九州でJUKIのミシンを修理するなら

2014.06.11 Wednesday

SINGER rumina 3380 シンガー ルミナ3380のオーバーホールとボビンのお話し

ミシンを久しぶりに押し入れから出して
動かしてみたら“ゴリゴリ”と音が鳴るとのこと。


滑り出しが悪く、回転が上がりません。
確かにオイル切れのようです。

スベリ板を外して釜周辺を見てみると…


オルガン社の汎用カラーボビンです…

確かに汎用ではあるのですが、

トラブルをできるだけ回避するなら

純正ボビンを使うべきでしょう。

ボビンの形状は各メーカーにより微妙に違いがあり

重さや材質、強度や粘りなどの特性を考慮して製造し、

その純正品のボビンを元に糸流れやさまざまな条件で
設計されているからです。

頻繁に回転し、摩擦の多いパーツだけに

下糸の糸流れに大きく影響します。

スプール周りのキズや割れ、欠け、変形などに

気を使い少しでも異常があれば交換すべきです。

スベリ板の周辺から“カタン、カタン”と

規則的に跳ねるような音や

下糸が切れる、下糸がつる、糸締まりが悪いなどの

トラブルが頻繁にでるようであれば

まずはボビンをチェックすることをおススメします。

繰り返しますが、ボビンはあくまでも消耗品であり、

下糸が常に接触している重要なパーツということを

忘れないようにしましょう。
 


ボビンごと内釜を外して釜周辺を見てみると…

布ホコリがギッシリです。
 

つまりこのルミナ3380はよく使われており、
幸せなミシンなのだと思います。

ここまで使い込むまでトラブルが無かったとすると

使い方も良かったのでしょう。

クリーニング後にセットしたシンガーミシン専用のボビンです。

材質としては粘りの少ない方で軽く、側面がユルく弧を描いており

他社のボビンより釜の中での自由度が高いのが特徴です。


クリーニングしながら各部やパーツを点検していきます。
 

底板周辺はどうしても汚れが溜まりやすいですね。




ホコリや汚れ、酸化したグリスの除去が完了したら

次は注油とグリスアップです。


上下、左右の軸受けへの注油も完了しましたので

今回もこれで終了とさせていただきます。



 

 

ミシンの修理をするなら

2014.06.09 Monday

JUKI SPUR 98H 職業ミシン JUKIシュプール98Hの針と剣先の出会い調整



国内シェアNo1のシュプールシリーズですが、

初代シュプール90に引き続き、98も部品供給が終了してから

随分と時間が経ちました。






90にはプリントされていない布押さえのイラストがキュートですね〜

そして90ではスプリングの圧着式の第一テンションも
98からは三穴式になっております。




ヘッドカバーに糸切りが付いていて

結構、芸の細かい作りになっています。

98以降の機種では多分、廃止されていたと思います。


98Hの“H”は家庭用の針の使用を現しています。

これは自動糸通しを職業ミシンに搭載するための苦肉の作で

従来、職業用で使用されていた丸針の場合、

取り付け方により針穴の角度が微妙にズレてしまい

自動糸通しに求められる精度と合わず、

フックを壊してしまう可能性がありました。

しかし、家庭用の平針なら固定の角度が決まっているため

取り付け方による針穴の角度のバラツキが発生しないからです。

職業用ミシンに自動糸通しが初めて搭載された頃の

機構なので少し使いにくいような気がしますが…

前置きが長くなりました…
さて、今回のご依頼ですが


 “厚地で目飛びするとのことでお預かりしました。
試し縫いしましたが、確かに飛びますネ。







少し調整が必要なようですが
併せてクリーニングもします。





さて、これからが腕の見せ所です。
“深さ
寄せ具合で調整していきましょう。




キレイになりました。
もちろん縫い目もバッチりです。

 


 

北九州で職業用ミシンを修理するなら
2014.06.06 Friday

brother Innovis M200 ブラザー イノヴィスM200の糸調子と自動糸切り不良

最近になってイノヴィスM200の修理依頼が

多くなってきてような気がします。

つい先日も縫製不良を修理させていただき、
現在も他にプーリーが回らないとのことで
修理品を一台お預かりしているもので…

なぜか、重なるときは重なるようです。
 

今回のM200は糸調子の不具合による縫製不良とのことですが、

お伺いした時にはすでに糸を外してしまっていて
不良状態を確認することができませんでした。

再度、糸を掛け直しても同じ状態が再現せずに
症状を把握するのに少し手間取ってしまいました。


糸を替え、上下糸のテンションを変えたりと、
いろいろ試してみましたがハッキりと原因が掴めません。

上糸調子皿のテンションは正常だし、糸流れにも特に問題はありません。


結局、不良状態の縫い見本から上糸に原因があるとにらんで

糸道に沿って分解していく方法をとりました。

問題がありました!
確かに糸ガイドのプレートが外れて変形しています。

この為に糸にテンションが掛からない状態が稀に起こって

今回のような縫製不良を引き起こしたようです。


自動糸切り不良については、刃こぼれしていたカット用の刃の交換と

パイルが欠損していた“オサエイタクミ”の新品を注文しました。

後からお聞きした話しですが、
オーナーが釜の掃除をしているときにこのパイルを布ホコリと間違えて
ピンセットで無理矢理に取ってしまったそうです。



共に新品部品を注文して交換、調整すると

もと通りに機能するようになりました。


上がパイルの欠損した“オサエイタクミ”で下のが新品です。
パイルとはモヒカンのような毛の部分です。

併せてクリーニングと注油作業を済ませて今回も無事終了です。

 

優等生のM200もそろそろメンテナンスの時期に
入ってきたのかも知れませんネ。



 

 

ブラザーのミシンを修理するなら
2014.06.04 Wednesday

JANOME model 680の ジャノメ 680のポータブルケース化と電源ケーブルの変更



引っ越しを機にジャノメ680のキャビネットタイプを

持ち運べるようにポータブル化したいとのご依頼です。

少しくすんではいますが、かなり状態の良いミシンです。



オイルが酸化してこびり付いています。

これが結構厄介ですが油分を分解する溶剤で落とします。





外装部品を外したら各部を丁寧にクリーニングしていきます。













ダイヤルやボタン、スイッチもクリーニングして
これで一通りキレイになりました。
平行して注油作業も進めていたので
本体の作業は配線を残すのみとなりました。




キャビネットの壁をカプラーを介して接続していたので

カプラーを外してシンプルに直結します。




パキパキのプラスチックではなく少し粘りのある素材で

左右のロック部分の強度もバッチりです。

オールドタイプの重量級ミシンでも大丈夫です。

配線を交わす穴も開いているので

内部にスッキりと納めることができます。


便利で作業性が上がる折りたたみテーブルも付いていますが、

全体的には何となく作りが大雑把な感じはいなめませんネ。

ともあれ、軽量で剛性も高くリーズナブルなので

価格が気になる方にはイチオシの商品でしょう。


新品のケースにキッチりオーバーホールしたヘッドを組み上げると

まんざらでもないカッコ良さがありますネ。



 

 

ジャノメのミシンを修理するなら
2014.06.02 Monday

JUKI THE MISIN HZL-7900 JUKI ザ・ミシンHZL-7900の修理とオーバーホール



JUKI 社のHZL-7900ですが、

使っていて“ガシャ”と音がして動かなくなったとのことです。

軽くプーリーを回してみると

なるほど、針棒が一定以上に上がりません。

プーリーから伝わるリニアな抵抗感から判断すると

針棒周辺の接触が原因のようです。

奥に見えているネジが針棒スライダーの高さ調節ネジなのですが…

この部分が針棒の固定フレームと接触しているようです。


 

総合的に判断してみると、

針抱きに付いている糸ガイドが何らかの影響で変形し

付属の糸抜け脱落防止ワイヤーが

自動糸通しのスライドガイドに引っ掛かって

針棒と共に高速で一気に下がったため

固定部分が大幅に下にズレて

針棒のフレームに接触していたようです。
 

針抱きの糸ガイドの歪みを直し、

変形していた自動糸通しのフックも修正して

キチンと糸が通るようにしました。


このミシンの難点は底板を外すとミシンを立てられないことです。
外したままミシンを立てると基盤に圧力が掛かり、
破損してしまう可能性があるからです。
もう少しモーターが下に付いていれば、接触しないのですが… 
まぁ、整備上の問題ですけどね〜。


問題なく縫えています。


古き良き全回転の釜… 

みなさん、くれぐれもジグザグ用の
職業ボビンケースを使うことをお忘れなく。



 

 

北九州でジューキのミシンを修理をするなら

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